BD覚え書きと日記 雪組「ひかりふる路」
やっぱり舞台は生で観るのに限る、と思ってはいるのですが、映像で見てもどハマりする作品はあるわけです。
Twitterで延々と感想を垂れ流すのも楽しいですが、あとで振り返るのがめんどくさいのでブログにメモしておくことにしました。
わたしの記念すべき初の映像観劇になった、雪組トップスター望海風斗さんの大劇場お披露目公演「ひかりふる路」についてです。腐女子が書く感想メモなので、そのように読み取れるような箇所があるかもしれないのですが、可能な限り排除したつもりなのでお許しください。
思い出したらまた引っ張り出して、追記していくことにします。
そもそもこれを見るに至ったことの発端は、かつての同級生によるオタク引きずり込みマーケティングに遭ったことでした。
「こういう作品があるんだけど、見ない?」
彼女がどういうつもりだったのかはよく分からないのですが、常に新たなときめきに飢えるわたしは見事に食いついて、BDを借りる約束を取り付けたのです。
ロベスピエールがうんたら、言われた時点でフランス革命ものであることを察したわたしは、その場で快諾を取り下げようかと思いました。とにかくわたしはフランス革命が苦手なのです。時系列はめんどくさい(めんどくさかったような気がする)し、人は簡単に死ぬし、やたら悲恋だし。
そんなもん2時間半も見てられるかい! と思ったのですが、どうやらショーとの二本立てで、90分で終わるらしい。マジかよ。想定の半分ちょっと。
東宝ミュージカルで1幕(70〜80分)を最後まで耐えられない程度の集中力のわたしですが、なんとか耐えられるかもしれない。
結局新宿駅で知人との数年ぶりの再会を果たし、「ショーの歌詞は頭が悪いから耐えろ」と言われながらBDを借りました。わたしの心配するところと彼女の心配するところはズレていたのですが、そこはほぼ初対面のオタク同士、すれ違いは想定内です。帰りの電車の中でパンフを開いても、「あ、沙央くらまさんてこないだCLUB SEVENで観たな」というくらいで、もう、本当にハマるなんて全くの想定外だったのです。
ロベスピエール(望海風斗さん)が歌い始めるまでは。
貸される前から、今の雪組トップコンビは歌が上手いらしいと聞いていました。
まあそんなことは知っています。だって東宝ミュージカルに出てくる宝塚OG、だいたいみんな歌上手いし。
にもかかわらず、見始めて第一声がこれ。
ようやくひかりふる路観てるけど、トップコンビってこんなに歌上手いの!!?っていう謎の衝撃に襲われています
網(Astroneet)のTwitter(2019.07.16)より
(自分のアカウントなので引用は適当です)
トップコンビの歌を聴くのが初めてだったわけではないのですが、それでもびっくりしました。なにこの滑舌。感情を一音一音に乗せて歌う技術。すごい人たちもいたものだなあ、としみじみしてしまいました。
そこからは世界に引き込まれて本編を見終わり、最終的には何ともあっさりした感想が出てきました。
アッひかりふる路良かったですキャラ萌えと内容を両立できた
網(Astroneet)のTwitter(2019.07.16)より
我ながら漠然としすぎてて意味が分からん。良かったのは分かったからもう少し細かく説明してほしかった。
ということで、初めてロベスピエールが歌ったところから最後まで、何があってわたしはどういうことを思ったのか、だいたい呟いた時系列順に並べてみました。振り返ると本当に分かりづらい感想です。自分の湧いてくる感情を整理するのは本当に難しいですね。
①ロラン夫人とタレーランのチェスシーン
異様に美しいロラン夫人
びっくりしすぎて即座に名前を調べたわたし
網(Astroneet)のTwitter(2019.07.16)より
これは彩凪翔さんの美女っぷりに圧倒されたときのツイートですね。男役さんが女役をするのがたまらなく好きなので、この麗しい美女感は絶対に男役だ!と一時停止してパンフでお名前を調べました。その後ショーでのイケメンっぷりにまた圧倒されます。
②ジョルジュが断頭台送りにされるシーン
ジョルジュ〜〜!!!
網(Astroneet)のTwitter(2019.07.16)より
何も言えねえってやつですね。ひかりふる路の登場人物では、断然ダントンが好きです(断然ダントンの語感の良さ)。
だっていい男じゃないですか。ガブリエルほんと見る目ある。
そりゃあカネの横流しは下手だし、バレてからもわざとフォロー入れないし。アレ? やっぱり大胆にいきすぎて政治下手くそだよねこの人?(※諸説あると思います)ってなる。でもマクシムやガブリエルへの情の深さを見ちゃうと好きになっちゃうんですよ。ガブリエルとの何だかんだラブラブな夫婦ぶりも見せつけられるし、マクシムとの向き合い方もカッコよすぎる。初めから政治思想は違っても分かりあっている感を出してたし、仲違いしてからも分かり合えると信じて真っ直ぐぶつかる。結果的にマクシムに届かなかったとしても、いいんですよカッコいいから。ジョルジュはマクシムにとってのジョルジュを全うしたんですよ。
はあ、好き。
あ、そういえばジョルジュの「先に地獄で待ってるぜ」的な台詞は、そういう記録が残ってるらしいですね(伝聞推定)。まあ君たち良いところも悪いところもあるから仕方ないね、とこのときはまだ思っていたのですが、2回3回と再生するうちに感情がグズグズになって死にました。わたしが。
というか腐女子的な目線を捨てきれなくて、普通に世に出せるつぶやきがこれくらいしかなかったのが信じがたいです。
自分としてはもう少し普通のことを呟いているつもりだったんですよ。ジョルジュ、マクシム、カミーユがわいわいしてると可愛くていいね、とか。恐怖政治に走ったマクシムの着てるマントが裸の王様感強くていいよね、とか。
ないものはないので、あとは呟いていないけれどiPhoneのメモに残してあったことを並べておしまいにしたいと思います。
結局そういう腐女子的な呟きを遡るのがめんどくさいがゆえのメモなので、別件でまとめます。
③ひかりふる路のテーマ曲の良さ
テーマ曲が大好きなんです。歌詞もメロディーも。そして何よりのぞさんの歌い方。
やっぱり「光」はこの公演を通していろんな意味を持つキーワードなんだなと思いました。穏やかな朝の光、雲を切り裂く刃のような光。前半と後半の落差にいつも心をやられてしまうし、マクシムの光が眩しくてしんどいです。
あとはわたし自身が自由のために生きる人間なので、2分半で驚くほど自由を語られるのに大変弱かった。自由のために人は生まれるが、それは人が自由の奴隷であることを意味しない…。
いくらでも話せる気がするのですが、まとまらないのでもう少し噛み締めてからにします。
④90分間革命に耐えた理由
なんであんなに渋ってたのに結局最後まで見たんだろう、という話です。
実はロラン夫人を演じる人の名前を調べたとき以外でも、何回か一時停止しながら見ていました。理由は見るのがしんどくて仕方なかったからです。たしか、ダントンが金を横流してるのがロラン夫人にバレたシーン、ダントンに食ってかかるマクシム(議会とダントンの家で1回ずつ)のシーン、マクシムが恐怖政治を始めるシーンで、計4回。
ぶっちゃけ4回目の一時停止をしてから先がめちゃくちゃしんどくて何回か止めそうになったんですが、ここで流れをぶったぎったらダメだな、と思って苦しみながら視聴続行。
1回目はその苦しみをどうにか噛み砕こうと思ってやたら薄味のコメントになってしまいました。
自由を追い求めて道を踏み外したマクシムに我が身が重なってしまい、変なマント着てサンジュストに処刑を命じてるところなんか共感性羞恥がひどくて頭抱えながら薄目で見ていた笑笑
ロベスピエールほど頭良くないにしろ、誰しもああいうことは起こりうるわけじゃないですか。自分はこうだと思って突き進んでたら間違ってた、みたいなことは。まあロベスピエールほどの規模では間違わないのが普通だと思いますけど、自分が間違ってることにこれっぽっちも気づかなくてやらかした、ということは誰でも1回くらいあると思います。
そのような事態に陥ってしまったのも、元々想定していたフランス革命のしんどさに直面したというより、のぞさんの芝居に心を動かされすぎてしまった結果かな、と。だってもう本気で可哀想じゃないですか、マクシム。マクシムという人間がいたということが現実だと、テレビ越しに突きつけられて胸が苦しかった…今でも思い返すと普通にしんどいので、貸してもらったCDも前半しか聴けてないです。だって死亡フラグ立ってるように聞こえちゃうからね。
なんにせよ、ひかりふる路とのぞさんに出会って確実に人生は変わりました。のぞさん観たさに人生で初めて始発に乗って壬生の当日券取りに行ったし…
初めてから3度目まで、噛み締めたことをきっちり記録に残したいです。
初めて買う宝塚のブルーレイは、「ひかりふる路/SV」になりそう。
素晴らしい作品をありがとう〜〜!